カキン王国の王位継承戦のルールと真意について考察
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ナスビー=ホイコーロ曰く、「生き残った唯一名が正式な王位継承者」になれるカキン王国の王位継承戦のルールと真意について考察。
王位継承戦のルール(一部抜粋)
・王子暗殺の指示を出したら王妃といえども投獄されてしまう
・王位継承戦は無法ではない
・王子殺しに免罪や恩赦が出るなんて話はない
・王族暗殺犯は国王軍に捕まれば一族もろとも処刑されてしまう
・王子一人につき船内の従事者は15人まで
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何故今、暗黒大陸を目指すこのタイミングで継承戦が開催されたのか?
その理由を考察したい。
説1.オイトが生まれ、単に王子の頭数が揃ったため?
カキンは二線者の身分制度によって、王族が新しく生まれようと王位継承権を自ら剥奪し継承候補者の数を減らしている。
もっとフラットでフェアな競争で王を選びたいのであれば、もっと年も権力も近い王子同士で戦わせればいいのに、わざわざ格差を設けた上で殺し合いをさせている。
それが儀式の条件なのだと言われてしまえばそれまでだが、もっと政治的な理由があるようにも思える。
二線者の制度は、継承戦で王族兄弟がほぼ死ぬことが確定しているので、血を絶やさないようにするための工夫とも考えられる。
そのためにモレナのような恨みを持つものを生み出すリスクもはらんでいるのが、不可解な制度だ。
不可持民のような被差別階級をあえて作っておくのがカキンなりの多様性と生存戦略なのかもしれない。
現状、王子の数にあわせて継承戦が行われるのではなく、継承戦開催にあわせて王子の頭数を揃えたようにしか見えない。
説2.暗黒大陸行きの船が20万人の国民を一箇所に集め儀式の贄とする言い訳に都合がよかったため?
いみじくも民主主義国家で20万人の大虐殺ともなれば事故として処理するにも相応の大義名分が必要になる。
いわば暗黒大陸計画に急遽便乗する形で継承戦をついでに開催しようとするものである。
だがそのためにパリストン一派の協専ハンターのカートンが死亡するなど、暗黒大陸攻略に差し障る被害を生んでいる。
これでは、暗黒大陸攻略など本気で目指す気はなく、儀式のために利用したようにも見える。
実際、継承戦編になってからナスビーが述懐する内容はどれも儀式についてであり、暗黒大陸を目指す大義名分など微塵も言葉にあがらない。
パリストンですら継承戦の存在を知らないのだから、ビヨンドも知らなかったのではないだろうか。
ビヨンドは何十年も前からカキンと共に準備を進めて来たはずなのに、どうも今の状況は不可解だ。
カキンとビヨンドの決別、ビヨンドと協会との結託なんて展開が描かれるフリなのだろうか?
説3.暗黒大陸攻略に継承戦の儀式が必要不可欠であると考えている?
儀式によって生まれる強い王と国家が、暗黒大陸にカキンの領土を広げる力となるのだろうか?
だがカキンは暗黒大陸の限界海峡線手前の仮想新大陸を開拓し定住する予定なので、元々カキンは暗黒大陸攻略に直接は関与しない。
あくまで攻略はビヨンド一派とハンター協会に託されるはずだ。
そもそもこの状況こそが、継承戦編が暗黒大陸編の前座であり横道のように感じ、つながりを感じず違和感の元となっている。
カキンは暗黒大陸に行きたいのか行きたくないのか、どっちなんだい?
今回行われる継承戦は本来の由緒正しい形式なのだという。
では前回の正しくない形式の継承戦とはいったいどのようなものだったのだろうか?
継承戦の儀式に20万人の国民を贄として捧げている点に注目したい。
儀式の効果を高めるための制約に捧げられたカキン国民。
おそらく前回の継承戦も同様に同規模の人間が儀式の贄に捧げられたのだろう。
だがいくらカキンとはいえ、それだけの人数の国民が死んで、何の言い訳もせずには民主主義国家の体裁を保つのは難しいだろう。
今回の継承戦を暗黒大陸への挑戦によって起こった事故で処理しようとするように、なんらかの納得できる隠蔽工作が図られたはずだ。
それはズバリ、革命と内乱ではないだろうか。
カキンは元々は違う国名の長い歴史を持つ超古代国家であった。
革命により帝国社会主義から議会民主主義にシフトし、その際にそれまで国を支配していた王族の名前が付けられていた国名を変え現在のカキン国に至る。
元はホイコーロ王朝とホイコーロ帝国だろうか?
ナスビーは革命派に属し、先々代の父王と数万の国民を反勢力の粛清として鏖殺したのだろう。
兄弟王子同士で結束して、反勢力を倒す競争形式のバトルロワイヤルだったのかもしれないし、帝国側に属す兄弟王子もいたのかもしれない。
まさに王制に挑もうとするハルケンと同じ構図にナスビーもいたのかもしれない。
こう考えると、単なる儀式の効果を強めるための制約だけではなく、カキン国にとって都合の悪い人間を粛清するために継承戦を利用している可能性も考えられる。
船に乗る人間は、国で職にあぶれ居場所もなく僅かな希望を求め藁にもすがるような気持ちで乗船する人間も多い。
そのような人材は強い国家を目指すカキン国にとって不要であり、口減らしとして粛清すべき対象なのではないだろうか。
カキンは継承戦のたびに不要な人間を抹殺し新陳代謝を繰り返し強国たる国力を維持してきたのではないのか。
恐ろしくも冷徹な合理主義である。
>>13 のカキコから引用
>◯第13王子マラヤームの守護霊獣は、肥大した体躯とその体表に無数の棘を持つ西洋のドラゴン型…悪く言えば不細工なワニ型(幼いマラヤーム王子の不安定な心理を反映した姿形へと機敏に変容するので、未来の姿形はまた変わる蓋然性が大きい)。
>本来のマラヤーム王子のテリトリーである1013号室をそっくりにコピーした偽の念空間を具現化して、 “1人で” そこに居座っている。そしてマラヤーム王子が居る本物の1013号室に入り用の入室者を、誰であれ偽の1013号室に誘い込み、その人物を観察、吟味しているようだ。
(中略)
>他の同僚のクラピカ配下のハンター・ハンゾー、協専のハンター・ベレレインテも本物の1013号室に戻れなくなっている。
↑ コレを書いた長文翁本人じゃが。間違いがある。
マラヤームのブサイクワニ型の守護霊獣が作った、虚実の念空間について。
資料、ジャンプ 2018年、第45号。P 356。
セヴァンチ王妃の従者のセリフ
「演奏会に参加した従事者はもう、『こちら』には戻れないんだろう?」
ビスケットのセリフ
「(前略)でもそれなら、本当の 1013 号室にはもう少し人を置いておいた方がいいわさ」
>>13 を書いた時点での、ワシの読解の間違いがあった。二点。
一つ目は、ハンゾーは未だ、マラヤーム王子のいる部屋…ということはウェルゲーやビスケットのいる部屋にいる、そこから一歩も出ていないという点。
二つ目。
ビスケットのセリフの通りならば、マラヤーム王子がいる方が偽の1013号室。
逆に、ブサイクワニ型守護霊獣が居座っている方が、本物の1013号室ということのようだ。
資料、第 36 巻、P44〜46。
分身の方のハンゾーが、 “ 本物の ” 1013号室に戻って、ブサイクワニ型守護霊獣以外、もぬけのカラになっていることを確認する。
ワシはこれを見た記憶のせいで「ハンゾーは1013号室に戻れなくなっている」と思い込んでしまったが。これは間違い。
同、P66、67。
ここは余談。
作中では本物とされている1013号室の電話がウンともスンとも言わねーというハンゾー。
だったら、ワシの読解の通り、マラヤームのいる方が本物の(なにしろ本物の電話が通っているのだ。虚実の実の)部屋で、
ワニ型守護霊獣のいる方が偽物の(形だけの電話が置いてある虚実の虚の方の)部屋だというのが、当初の冨樫が描きたかった展開ではないのかね笑?
さておき。
同、P103〜。偽の1013号室の、出入り。
ご覧の通り、ベレレインテは戻れなくなっている。
同、P116、117。本物の1013号室の前で話し込むフリをするベレレインテとビル。
「(前略)ハンゾーは部屋に戻れたけど(後略)」というベレレのセリフもある。
クラピカは本物の1013号室のことを「空の部屋」と呼んでいるようだ。
ハンゾーが部屋に戻れた理由は、資料、P67。ハンゾーのセリフ。
「明日だともうオレは多分本体に戻っているな」の通り、分身がウロウロできる能力が解除されたからだ。
同、P98。ビスケットのセリフ「時間だわさ!」
ハンゾーは声をかけられてしまい、能力が解ける(P33。能力の解き方や、隠密行動の限界時間はあらかじめ二人で打ち合わせしていた)。
冨樫の物語では、今後、ウェルゲーたちセヴァンチ第七王妃の従者に、ビスケットとハンゾーが念能力を教える。
部屋に戻れないベレレインテは、クラピカやビルと協力して、外部からマラヤーム王子を守る。
ベレレはどこで寝泊まりするつもりだろう?
ワニ型守護霊獣の部屋の電話はニセモノになっているようだが、ここのトイレはウンコしたら水は流れるのか? シャワーのお湯は出るのか?
おい、よく考えなくても…ベレレインテだけじゃないぞ。
ビスケットのセリフ。ジャンプ 45号。
「本物の1013号室にはもう少し人を置いておいた方がいいわさ(後略)」
つまり、演奏会(カチョウ王子が死んだ日の演奏会)に出席する形でマラヤーム王子のいる虚の1013号室から追い出された従者たちは、実の1013号室で暮らすことになる…???
クラピカの認識とは変わって、空の部屋ではなくなってしまう。
分身のハンゾーですらビビる、あのワニ型守護霊獣がいるのに?
ま。守護霊獣の方は、ハンゾーがそれを見えるから敵対する形になっただけであり、それを見えない従者たちのことは、スルーするだろうからいいとして。
電話が普通になっている = ニセの空間。だとワシは思った。
しかし、登場人物たちはみな、本物の1013号室だという。
心配なのはマジで、電話だけじゃなくて、水もお湯も隔離されていて、ウンコしたら流せなくなってしまうことだ。
まあハンゾーの分身が入った時には、明るくて、電灯はついていたようだから。水もお湯も、電気と同じく通じているだろうけど。
だったら、ハンゾーの分身が電話を上げた時にウンともスンとも言わねーってのが、矛盾しちゃうな。
冨樫、やっちまったな。
ちなみに。詳しくないので誰か書いて欲しいが。
旧来のいわゆる電話というインフラは、たとえ停電していても使える。
どういう仕組みだかワシは説明できないが、有線の電話は電気で動くモノではないらしい。
NTTの人なら説明できるのかもしれない。電気で動いているのはあくまで「現行の電話機」というガジェットの方であり、有線の電話というインフラの方ではない。電気を必要としなかった時代の電話機ならば、たとえ家々が停電していても通話が可能らしい。
ルパン三世、カリオストロの城の作中で、バイクにまたがったままの不二子が、有線をつないで銭形警部に電話をかけるシーンがある。
あの時、有線を接続していたのは、もちろん危険な電線ではなく、安全な電話線の方なのだ…???
長文なげえなw人の事言えんけど
今回はこれで終わりです。ここには予想しか書いてません。
毎度、ご静聴ありがとうございました。
今後、高確率で冨樫は、念能力を裁判所で裁くことを投げ出すと思う。
だっていろいろめんどくさいから。
具体的に考えられるのは。
・エイ=イ一家の凶刃が、最高裁判官クレアパトロを始めとする司法局員を殺害する。それによってあらゆる裁判が不能に陥り、審理も判決も頓挫する。
各陣営の訴えを受理して、容疑者と目される王子を拘束房で孤立化させることすら危険になる。だったら各々の私設兵が警備した方がいい…機能しない裁判なんてやってる場合じゃない…となるだろう。
・エイ=イ一家の無力化を狙った幻影旅団のメンバーが、そのエイ=イ一家を追ってBW船内の第一層に到達する。同時に幻影旅団を尾行したヒソカも秘密裏に現着する。ヒソカは変装能力を発揮して、その正体を悟らせない。
・冨樫は最終的には、王位継承戦を頓挫させる。
筆者がそう思う理由は、漫画的に死をもって退場させたくないキャラクターが王子の中に多くいるからだ。具体的にはチョウライ、ツベッパ、タイソン、ルズールス、フウゲツ、マラヤーム、ワブル。
・カキン王国は未来、衰亡の一途を辿る。蠱毒が達成できなかったことの反作用は、必ずやカキン王国に災いをもたらす。
・蠱毒の壺の霊威が、現在BW第一号船内を覆い尽くしている。王子たちどころか20万人全ての乗船者が、たった一人の次代の王の生贄。ナスビィ王は是が非でも蠱毒を達成しようとするだろうが、果たして…?
⑪…幻影旅団とカキンマフィアの遭遇、ヒソカの居所、ゾル家の兄弟
◯悪名高い賞金首である盗賊チーム・幻影旅団(=蜘蛛)も、カキン王国の秘宝である何か(詳細不明)を盗もうとBW第一号に乗り込んでいる。彼らの目的は現段階では暗黒大陸ではない。
◯幻影旅団の全滅を目論む異端のハンター、ヒソカ=モロウも同じく乗船しているようだが未だ姿を見せていない。BW第一号船内の下層階である第四、第五層にはいないようだが…どのように潜伏しているのだろうか? 彼の新しい能力のせいで見つからないのか?
◯ヒソカは旧知のハンター・イルミ=ゾルディックに、幻影旅団への宣戦布告の橋渡しを依頼し、同時に彼に幻影旅団への入団をも命じている。お互いに真剣勝負で殺し合うことが目的である。物語上ヒソカのキャラクターは奇人、狂人であり孤独。何者ともつるまないのが本来の彼である。また強者である限りは誰もが彼の殺人衝動の対象であり、事ここに至った今回ばかりは、イルミとの決着を先延ばしにするのは、読者にとっては興醒めである。
◯「お宝」の奪取を目論みカキン王族の居所であるBW第一号船内・第一層への潜入方法を思案し、またあるいは明け透けに他人に尋ねる幻影旅団。カキン王族との癒着を担保に裏社会での利益を享受しているカキンマフィアにとっては、富を持つ者と持たざる者の “均衡/バランス” を崩壊させかねない幻影旅団の「仕事」を放置することはできない。さりとて、たった10人の幻影旅団を押さえこむ“力/チカラ” もまた、彼らには無い。カキン王国の常の平和と王族を守るために、最初に幻影旅団と接触したシャア=ア一家は、シュウ=ウ一家と連携して、幻影旅団の “力/チカラ” の無力化に着手する。
◯幻影旅団にとっての目下の最優先事項は、ヒソカを発見し、抹殺することである。ために首魁(しゅかい)のクロロ=ルシルフルは、シャア=ア一家の顔を立て、取り引きに応じる。左のこめかみに「一つ目の薔薇一輪」の刺青を持つ禿頭髭面(とくとうひげづら)の大男との間で「ヒソカの捜索にシャア=ア一家の情報網を借りる代わりに、その戦闘においてはシャア=ア一家の被害者を出さない」と約束する。
◯カキン三大マフィアの一つ、シャア=ア一家の若頭、オウ=ケンイは、ヒソカ捜索をダシに幻影旅団を懐柔し、エイ=イ一家との抗争に彼らをぶつけようと目論む。その手筈には、彼の操作系能力が機能する蓋然性が高い。依頼、要請型か?
◯もう一つのマフィア、シュウ=ウ一家の若頭、ヒンリギ=ビガンダフノは、BW第一号船内第三層にて、自身の念能力「手のひらを太陽に/バイオハザード」でヒソカ捜索とモレナ=ブルード(エイ=イ一家組長)の暗殺を狙う。オウとヒンリギはそれぞれ、ヒソカとの接近遭遇に自信を見せているが…?
◯今回幻影旅団は、ヒソカとの抗争は個人プレイ、そしてお宝へのアプローチとエイ=イ一家の人減らしは連絡を取りつつのチームプレイで行う。しかしヒソカに関しては、クロロの思惑とは違う行動を取るメンバーが多く生じている。つまりたった1人と目されるヒソカに対して、複数人で対応する者が現れたのだ(なにしろクロロ本人ですらそうだ)。ダサい。そしてこれはかつての彼ら自身の流儀と異なる。いずれにせよチーム内での厳密な取り決めのある話ではないようだ。どのような戦術もメンバー同士は許容している。
◯幻影旅団のメンバー、強化系能力者・フィンクス=マグカブは「欲しいものがある」と言ってBW第一号船内、第五層の倉庫を、他2名の仲間と共に訪ねた。未だその何かを手に入れた描写はないが…物語上どのような役割を果たすモノだろうか? 戦闘において特別な武器を必要としない強化系能力者が道具に頼るとすれば、それは威力には直接関係なく、補助的な役割を果たすものである蓋然性が高い。強化系能力者は実在する器物の質量を増減させる。大きなモノを小さくしてジャージのポケットに隠し持つ? 逆に元々小さなモノを大きくして用いる?
◯過去に幻影旅団と因縁を持つクラピカ。第三層で偶然幻影旅団の乗船を知った十二支ん・ミザイストム=ナナは一人、それを秘密裏に第一層のクラピカに伝えたものか、思い悩む。余計な情報はクラピカの目下の任務にミスを招く虞(おそれ)があるからだが、同時にまた、幻影旅団がクラピカの身柄を狙う虞をも考慮せざるを得ない。伝えるべきか、否か?
◯仮説として。ミザイストムの報告によらず、クラピカがそれを知ることも依然あり得る。仮にクラピカがミザイストムからの報告を受け取った場合には、幻影旅団の新加入者として、旧知のハンター・イルミ=ゾルディックとその弟・カルト=ゾルディックが居ることが伝わる。前者に比して後者であれば、2名に対するクラピカの対処能力は俄然向上する。なぜなら彼の攻撃能力の対象者が幻影旅団の構成員である場合に限り、特別強力な攻撃技が発動できるからだ。しかしそのことをミザイストムは知らない。
◯イルミとカルトの兄弟が幻影旅団に加入した目的は、いずれも取って付けたようで極めて不可解。今後…作者はいかに処理するのだろうか? カルトはその兄を取り戻すためと言う。そもそも四人の兄のうち、カルトの取り戻したい兄とは誰だというのか? それとも物理的にではなく、何らかの変化をきたしている現状の兄に対していわゆる「本当の兄さん」…カルトの夢想を体現した兄を取り戻すことに、幻影旅団が関係あるというのだろうか? たとえば何か大切なモノを「盗まれた」状態の兄に、それを取り返してやりたいというのだろうか?
◯カルトは元来、極めて優秀な「尋ね人を探し出す能力」の持ち主であり、ヒソカも含めて大半の幻影旅団メンバーがそれを知っている。しかし現段階では、個人としてもチームとしてもそれを消息不明のヒソカ探索のために使用している形跡はない。メンバーはゾルディック兄弟に遠慮しているのか? なぜ手をこまねいているのか? ヒソカは詳細不明のカルトの諜報・探査能力に、対抗策を講じたのだろうか? 読者には既知のカルトの能力…集音マイクの役割を果たす人型の紙片をなるだけ多くの人物にそっと貼り付け、遠くの会話を聞いて情報を分析しているだけ。
◯イルミは特に、ヒソカとの決着をその手で着けることに執心しているはずだ。ヒソカが死ねば自動的にイルミの口座に生前のヒソカから代金が入金される手筈なのだが、まさか自分がヒソカの死因に無関係で、かつ自分以外の幻影旅団のメンバーがヒソカの死因を講じた場合には、その人物に全額を譲渡せざるを得まい。ゆえに真摯に取り組むだろう…。しかし、それは暗殺家業を営むイルミの職業倫理にすぎない。そもそも幻影旅団やヒソカと違って、彼だけは戦闘狂ではないのだ。たとえばの仮説だが。ヒソカのポケットマネーからの依頼金ではなく、公金である賞金首の見積もりで言えば、幻影旅団の他8名の死体を十二支んに供出すれば、相応の金額と名誉が手に入ることは自明。取らぬ狸の皮算用ではむしろヒソカと協力して幻影旅団を全滅させた方が割がいい。ともかくさておき。イルミとカルトの今後の行動の裏には、何か斜め上の理由があって欲しい。
…以後の物語の焦点、争点としては、こんなもんかな? 既に結果が出ているモノは無視した。
今後冨樫が物語上処理しなくてはならないテーマたちだ。その観点から、筆者が見落としているものがあったら、教えてください。
各トピックについて興味のある読者は、ここのサイトの管理人をせっついて、トピックを分化してもらうのが良いでしょう(もうワシも長くないだろうからね。後はヨロシク^ ^)。
続いて、上記についての私見を書く。
⑩…「恋のエチュード/サイキンオセン」の脅威と、対する防衛側の布陣
◯モレナ=ブルード(エイ=イ一家組長)による無差別テロ及びクーデターは、ツェリードニヒ第4王子の知るところとなる(だろう。やがて)。現にツェリードニヒ王子は、モレナに懐柔されていた配下の執事への拷問を済ませ、ある程度の情報を得て危機管理のレベルを上げている。
◯BW第一号船内・下層階の治安維持の責任者である十二支んは、それらの凶行が未だエイ=イ一家の構成員の仕業だとは突き止めていない。今後は十二支んが縄張る第三層にて両者が衝突する蓋然性が高い。
◯今後モレナたちエイ=イ一家は、BW第一号船内の上層階、それも第一層にいる、ツェリードニヒを始めとする王子たちを狙っていく公算が高い(能力の特性上、王子の命だけは奪った時のポイントが突出して高いため)。
◯今のところ、王子たちが暮らす第一層で勤務している十二支んのメンバーはクラピカ唯一人。今後第三層にいる十二支んのメンバーからエイ=イ一家の凶行及び念能力の内容がクラピカに伝えられた場合には、彼が念能力についての知識の乏しい王子たちをエイ=イ一家から守るための陣頭指揮を執るかもしれない(第14王子陣営のクラピカのみが、第1、第3、第4、第5、第7、第9、第11、第13王子の従者と幅広く顔を繋いでおり、かつ自分のチームのメンバーを、第6(イズナビ)、第7(バショウ)、故人だが第10(センリツ)、第13(ハンゾー、ビスケット)の各王子陣営に配置しているため)。
⑨…カキン王国の王族とも通じる裏社会、カキン三大マフィアの暗躍
◯註釈…ケツモチとは、いざという時の備え、責任の所在、責任能力者…この漫画の場合は、マフィアの悪事を当局に目こぼしてもらうための王族特権を意味するものと推察する。通常の社会ではマフィアの方がその反社会的行動力あるいは弁済能力(必ずしも資金や担保とは限らない…ケジメの付け方など)でもって、配下の組織、人物のケツを持つ。
◯カキン王国・三大マフィアの一つで、ツェリードニヒ第4王子にバックアップされているエイ=イ一家の新参者の組長、モレナ=ブルード(女性)は、逃げ場のないBW第一号の船内において、自身の念能力「恋のエチュード/サイキンオセン」でもって、無差別のテロ及びカキン王国の崩壊を目論む。
◯残り二つのマフィアの組長…シャア=ア一家組長・ブロッコ=リーと、シュウ=ウ一家組長・オニオール=ロンポウ(いずれも非念能力者)は、前カキン国王(ナスビィの父親)の落胤(男性)である。彼らはそれぞれ、異母兄である現国王ナスビィの正室、第三王妃トウチョウレイ、第二王妃ドゥアズルの腹を借りて産ませた、実子のチョウライ、ルズールスをそれぞれ第3王子、第7王子として王位継承権争奪戦に参加させている(表舞台に出る王族の死亡時において、重要な役割を果たす裏の血のスペア(血胤、落胤)も、今回の継承戦で一旦回収、及び整理される算段のようだ)。
◯念能力に疎い第3王子チョウライは、部下をクラピカの講習会に参加させつつ同時に、父親であるシュウ=ウ一家組長・オニオールの情報網を頼りに、念能力についての独自の調査に着手した。オニオール配下の念能力巧者は、若頭のヒンリギ=ビガンダフノとその配下の数名であるが、身分の低い彼らが船内第一層にまで来るだろうか? 配下には諜報能力の持ち主・リンチ=フルボッコがいる。近未来、チョウライ王子がクラピカの秘密を知ることがあるだろうか?
◯「二線者」と貶められた運命を生きる落胤たちも、その実子を王位継承戦に参加させて、王家の本流に返り咲かせる機会があることで溜飲を下げ、捲土重来(けんどチョウライ)を期して日陰を生きるのだろうか? その点、若い女性であるモレナが自身の子を王家本流に戻す機会が、彼女の未来にあったか? 否。今回の王位継承戦に限っては、参加資格を持つ者はナスビィの正妻の子のみと既に説明があった(今後も同じレギュレーションであれば、ナスビィの娘である彼女が子を産んだとて、継承戦には参加できない。しかし今回の王位継承戦の結果、世嗣ぎが女王となれば、未来、次回の継承戦のレギュレーションは違ったかもしれないのに…)。 仮説であるが彼女は、父である現国王ナスビィから、第4王子ツェリードニヒの父親(旧・エイ=イ一家組長…必然的に前国王の落胤であったと推察する)に長らく預けられていた身ながら、その保護者を暗殺して、新組長の座についたのではないか?(掟破りと他の組長たちは揶揄していた) 今後のツェリードニヒ王子との決着が待たれる。
⑦…物語の主人公、クラピカの目的と使命、その1、緋の眼
◯ワブル第14王子(女性)の警護者であり、ハンター協会のリーダーチーム・十二支んの一員、かつクルタ族の生き残りであるクラピカは、未回収の同胞の眼球、秘宝・緋の眼を複数保有する人体収集家、第4王子ツェリードニヒとの接触、また交渉を狙っている。
◯ツェリードニヒ王子は未だ、クラピカがクルタ族の生き残りであることを知らないが、それと知れば当然クラピカの眼球をもコレクションに加えようと目論むだろう。秘宝の価値はその作り方如何(いかん)で高低するし、何より自ら作成することに至上の価値がある。
◯BW第一号船内…その第一層で、本来秘密主義者であるクラピカがクルタ族であることを知るものは…。幼いながらもクラピカの緋色の美しい瞳の色に興味を示した赤子のワブル王子と、その母親であるオイト第八王妃、その従者シマヌ、クラピカと共に第八王妃陣営に勤めるビヨンドの仲間ビル、クラピカ配下のハンター協会員・センリツ、イズナビのたった6名である(ビスケット、バショウ、ハンゾーは知らない)。彼らの脳内からクラピカの秘密が流出する虞(おそれ)は排除できない。
⑧…クラピカの目的と使命、その2、ワブルとオイトの警護
◯そもそもの大前提として、オイト第八王妃は娘のワブル第14王子の延命を最優先と考えており、王位継承の争いから離脱することを望んでいる。しかしそれは、カキン王家の滅亡あるいは王位継承戦の頓挫でもない限り、命掛けの逃避行になることは明らかである。同僚のビルは、パリストンあるいはビヨンドの助力を得ればそれも不可能ではない、とオイトとクラピカに告げるが、具体的な手順は未だ明かされてはいない。いずれも相当な難易度だとビルは言う。
◯クラピカは同僚のビルの協力を得て、念能力について疎い(うとい)王子の陣営に働きかけ、その従者に念能力について教授する講習会を設けた。念を知る者の常識をはるかに上回るたったの2週間という短い期限を切り、念能力を授けるとうたっている。その講習会に参加する陣営同士は、表向き休戦協定を結んだものとみなされるが、各々の内心は定かではない。
◯講習会の最中に、念能力「11人いる!/サイレントマジョリティー」の使い手の攻撃によって不審死を遂げる受講生が2名発生。犯人は受講生に紛れているが、講習会ホストのクラピカ、ビルともに未だその正体を看破できていない。参加者のうち心ある者は容疑者の化けの皮を剥がし捕らえようと静かに備えている。容疑者の真の狙いは、何か?
◯突発的不審死という命のリスクの表面化に際し、受講生の一人で最年長の、ツベッパ第5王子の私設兵隊長・マオールは講習会の本意を訝(いぶか)しむ。曰く、「念能力の脅威に対し不安な王子たちの陣営に防衛力を授けるという甘言で人を集め、その脅威を効果的に演出し、結果王子たちに重く用いられようとの謀略を、ハンター協会員の一部が推進している」。その時、ビルと同じくビヨンド配下のハンター協会員・ベレレインテの助言もあって、講習会そのものの中止は回避することができた。その後クラピカ、ビルの助力を得て念能力に開花したマオールは全面的にクラピカを信頼し、彼が仕えるツベッパ王子にクラピカとの連携を強く進言する。今後の両者の相互協力が、思わぬ防衛力を生み出す蓋然性は高い。
◯講習会とクラピカの真意を訝(いぶか)る者は他にもいる。カキン王国の軍事全体の副顧問・ベンジャミン第一王子麾下の私設兵、バビマイナとヒュリコフだ。彼らは国王軍そのものの防衛力をクラピカに脅かされまいと、その操作系能力の真偽を見定めた。結果的にクラピカが受講生を操作する嫌疑は晴れ、死亡者を除く当初の受講生は皆念能力を開花し、やがて期限の2週間の最終日を迎える…のだが、何事も起こらずに終えられるだろうか? ヒュリコフの診立てでは、初めから念能力が使えるのに初心者のフリをし続けて受講生に紛れている者が、数名いる。…敵か、味方か?
◯今(こん)講習会の成果が上がればクラピカの存在感と言動の影響力が、念による攻撃に無防備な王子たちの陣営で高まり、結果的にワブル王子陣営との強固な休戦協定と集団的自衛能力が向上する。また今後クラピカが講習会を繰り返せば、さらに全王子陣営間の念による戦闘力あるいは防衛力、また犯行の立証能力の均衡化が進む。これは一方的にアドバンテージを有していたベンジャミン第1王子の陣営には不愉快である。第1回の講習会の最終日までに何かが起こる…?
◯件(くだん)のツェリードニヒ第4王子は、クラピカの講習会の真贋とその秘訣、及び各王子陣営のコネクションの推移を調査するために、部下のダンジンにこれを受講させている。念能力に開花したダンジンは、自身がクラピカの操作系能力の支配下にないことの保証を、今のところベンジャミン第一王子麾下の私設兵の言質に頼っているが、それを疑り深いツェリードニヒ王子がどう判断するだろうか? ツェリードニヒ王子はダンジンに対して、少なくとも講習会の最終日までには「それ」を証明する方策をダンジン自身に用意せよと命じている。がしかし、仮に操作系能力者の支配下にある者ならば、自らその支配下にはないと弁明することは当前であり、ダンジン自らがこれを証明することは至難であると言えよう。相当具体的な工夫が必要となる。例えばダンジンによるワブル王子殺害の事実をもってすればツェリードニヒ王子は満足また納得するだろうが…? では、クラピカの、ビルの命であればどうか? はたしてどうなる…?
◯物語中では、一つの対象に対して早い者勝ちとの定説がまかり通る操作系能力。すなわち既に先手の操作系能力者の操作下にある対象を、後手の操作系能力者はけして支配できない。局面によってはそれは表裏一体の勝敗の鍵であり、定説であると同時に秘事である。それを知らない念能力者は多い。ツェリードニヒ王子が部下・テータ(女性)の顔面の異変(彼はこれを未だ見ていない)、及び同じく部下・サルコフの態度、あるいは彼との「質疑応答」から、自身の、見えぬ守護霊獣の能力の正体にたどり着く蓋然性は極めて高い(そもそもサルコフはテータの述懐からその詳細を既に把握している)。ツェリードニヒ王子にとってはその霊獣の操作系能力の試技として、良い実験台が2つ3つ、丁度出来たところだ。
◯この講習会は、クラピカがツェリードニヒ王子との渡りを付ける第一歩となるだろうか? しかしツェリードニヒ王子はむしろ、クラピカ配下のハンター協会員・センリツの音響効果の念能力に興味を持ち、彼女との接触を企図している。ちなみにセンリツの身柄そのものがツェリードニヒ王子のコレクションの対象となる蓋然性は極めて高い。
◯第10王子カチョウ(既に故人であるが、他者はそれと認識できない…フウゲツ王子に憑く死後の守護霊体となっている)、第11王子フウゲツの逃亡事件の調査を担当すると同時に、彼女たちの延命を願う司法局員の男(個人名は未出。七三メガネスーツの男)がいる。彼は自身が好むセンリツの音色…とその能力に興味を持つツェリードニヒを含む複数の王子からの招聘(しょうへい)を一定期間妨害する目的で、BW第一号船内第二層にある司法局にセンリツを拘束し、取り調べを継続している(成文法による権限は王族の越権を弾く)。センリツはこの期間を利用して、司法局に拘束、庇護されているカチョウ、フウゲツのさらなる防衛方法を模索する。
⑥…守護霊獣以外の念能力を用いた争い
◯カミーラ第2王子麾下の、不可持民(ふかじみん)出身の私設兵たちは、独自の暗殺専用能力・「辻褄合わせに産まれた僕ら/ヨモツヘグイ」の実地実験の第一号に、第14王子ワブル(女性)を選んだ。近々彼女を狙う。守護霊獣の防衛力を打ち破り、狙った王子に対して効力を発揮するためには、対象者への相当な接近からの限定的な自刃と確実な死を発動条件としており、各王子へと順番に発動することは物語上極めて困難に思える。この能力が王位継承戦の鍵を握ることはないと予想する。
◯ベンジャミン第1王子麾下の私設兵たちによる、各王子陣営の情報収集が継続中。特にベンジャミン王子がその私設兵ムッセから、彼の死後受け継いだ能力「裏窓の鳥/シークレットウィンドウ」が、件のカミーラ第2王子を秘かに監視中。雌伏のカミーラ王子とその守護霊獣の反撃を、ベンジャミン王子は如何に迎え撃つだろうか?
◯ワブル第14王子陣営のテリトリー内において、念能力「11人いる!/サイレントマジョリティー」を用いる正体不明の人物による凶行が続発。ベンジャミン王子の私設兵のうち、最も観察力に優れたヒュリコフただ一人がその正体に気づいているようだが、依然として経過観察中(治安維持の職務違反?)。ヒュリコフの同僚で、同時にワブル王子の警護を担当しているバビマイナは、能力者の正体を絞り切れないまま警護を継続中。
◯同じくベンジャミン王子麾下の私設兵・リハンは自身の念能力「異邦人/プレデター」をもって、第8王子サレサレの守護霊獣の無力化に成功。
◯その後リハンに代わってサレサレ王子の警護を担当した同僚のベンジャミン王子麾下の私設兵・ウショウヒは、その能力「犯罪を無罪にする方法/ニードルボール(虫射球)」をもって、サレサレ王子の殺害に成功。
◯特記事項として。極めて小さな念獣・ニードルボールの羽音を認識できるのは念能力者のみゆえ、耳元でそれを鳴らした反応で、対象者が念能力者であるか否かの簡単な判別ができる。ウショウヒは、第11王子フウゲツの警護を担当していた時分(じぶん)、セイコ第6王妃付きの警護兵・リョウジに対してもそれを試したが、リョウジは無反応だった。元来無口なリョウジだが、本当に非念能力者なのか? 彼の今後は見ものである。
◯長髪を大まかな弁髪上に束ねた男・リハンは現在、第5王子ツベッパの監視中ながら、自身の念能力「異邦人/プレデター」をもって第9王子ハルケンブルグの守護霊獣を確実に無力化することを、バルサミルコ兵隊長から期待されている。
◯警戒心の強い第5王子ツベッパは、リハン始めベンジャミン王子陣営の暗殺の腕前を高く見積もっている。ゆえに自身の身を守るため、念能力巧者であるクラピカとの早めの連携を企図する。仮にそうなった場合、ツベッパ王子の優秀な守護霊獣(左右に三対の有角のタイヤを持つカメレオン型)のジョイント能力によって、ツベッパとクラピカの意思の調和に基づいた、摩訶不思議な効能を持つ「薬品」が精製される蓋然性がある。自身の守護霊獣が見えないツベッパはクラピカの機知機転に任せるだろう。それでなくともカメレオンは滅多に姿を現さない。仮にカメレオンがクラピカを前に姿を現わすとすれば、その相性はカメレオンが望んだものだと言える。薬品は未来、公的責任を大きく掌握したいツベッパと、ツベッパの防衛力の庇護を受けたいクラピカの両者に恩恵をもたらす公算が高い。目下、薬品が効力を発揮しそうな感染症による無差別テロが、BW第1号船内にて拡大中であるが…? 今のところ両者はモレナ=ブルード(エイ=イ一家組長)の能力を知らない。
◯悪辣な性格で知られる第4王子ツェリードニヒは初心者ながら天才的な念の才能の持ち主。その従者テータとサルコフは、彼の邪悪な念の影響力が世界を覆い尽くすことを恐れ、その将来の王位継承及び治世を懸念。テータは決死し独断専行でツェリードニヒの暗殺を試みるが、ツェリードニヒの未来予知の念能力がそれを失敗させる。ツェリードニヒの余裕と、偶然同時に重なったハンター協会員・センリツの念能力の音響効果、またそれへの興味を優先させたツェリードニヒの好奇心によって、テータは社会的には無罪放免となる。今後のツェリードニヒの急成長は王位継承戦のバランスブレイカーとなるか?
◯特記事項として。第4王子ツェリードニヒには、未来予知の能力と、また壺の守護霊獣とは別に、自身の大型の念獣が発現しつつある。が、本人は未だそれに気づいていない。念獣は人型だがツノゼミあるいは冬虫夏草を思わせるフォルムで、両足先は植物の根のように疎ら(まばら)に広がっている。背中には左右に放射状に広がる枯れ枝のような…複数の細長い何かがある。両腕には人の指先様(よう)の特徴的な突起を有する3つの列状球体があるが、手指がある形状とはとても言えない。臍(へそ)に相当する位置の円形のエンブレムには「666」の文字がある。自らケツモチを買って出ていたモレナ=ブルード(エイ=イ一家組長)と、彼女に懐柔されていた執事の裏切りを知った直後に発動した念獣だけに、人間の裏切りに対応できる能力を有している蓋然性が高い。
⑤-1…守護霊獣の摩訶不思議なチカラと、犯行の立証
◯特記事項として。第9王子ハルケンブルグは、自らの守護霊獣が授けた自分たちのチームの複合能力について、いち早く分析を済ませ、かつ使いこなし、ベンジャミン王子の私設兵シカクを殺害することに成功している(王子自身の目に見えぬ守護霊獣の能力の詳細を把握することは、誰であれ極めて難しいにもかかわらず)。仮に裁判所において犯行を立証されたら、ハルケンブルグ王子は人為による事件の首謀者、殺人者となる。しかしその立証もまた極めて難しい。
◯またそのハルケンブルグ王子から、シカクに続いて私設兵ビクトまでも行方不明にされたベンジャミン第1王子の私設兵隊長、バルサミルコ=マイト軍曹は、司法局(裁判所)に事件を通報し、ハルケンブルグ王子を拘束、孤立化することに成功。近々、公判での接近遭遇の際に、ハルケンブルグ王子を無力化することを企てている。それが念能力による攻撃なのか? それともハルケンブルグ王子個人の内面を端緒に切り崩すのか? 今のところ定かではない。
⑤-2…守護霊獣の摩訶不思議なチカラ、性善か性悪か
◯第12王子モモゼ(故人)の守護霊獣については、前記してある。
◯第9王子ハルケンブルグの守護霊獣については、前記してある。
◯第8王子サレサレ(故人)の守護霊獣については、今後の物語に関わりないので割愛する。
◯第5王子ツベッパの守護霊獣については、後に別記した。
◯第14王子ワブルの守護霊獣については、物語上現段階で論ずる材料がない。それを把握する任務で警護についているベンジャミン第1王子麾下(きか)の私設兵・バビマイナも、未だ見ぬ霊獣を戦略的忍耐で気長に待ち構えている。
◯父王ナスビィ=ホイコーロの守護霊獣は今回の王位継承戦そのものの守護者と言える。ナスビィの人間的成長に伴いその姿を変容させてきたと推測する。多くの国民に滋養を与えるべく有する多くの乳房からは乳幼児の死亡率の低さが想起できる。腕足は左右に5対。外敵を射抜き留め、あるいは近づけない二の腕の外側に一列状を成す鋭い棘。多くの資源を掻き集めて掴み離さぬ人様(ひとよう)の手指には攻撃用の爪がない。中央の人面には虚心坦懐に物事を洞察する真ん丸の双眸、広く他者の言葉を聞き留める大きな福耳、逆立てる必要のない柔らかな女性様(よう)の長髪がある。鼻と一体化して縦に裂けた口唇からは肉食の歯列が覗くとともに、旺盛な好奇心すなわち食指の隠喩と推測される舌が垂れている。全体のフォルムは女性器と子宮か? 多産を象徴していると推察する。いずれの特徴も国家、国民の繁栄に責任を持つ王者として、非の打ち所のない容姿である。
◯父王ナスビィは思う。爪と牙しか持たない獣は遠からず滅びる、と。守護霊獣のデザインのうち、尖鋭(先鋭)で攻撃的な武器しか持たぬものは、早晩その王子を失うだろう。モモゼ第12王子の守護霊獣がまさにそうだった。今後の王子たちの人間的成長に伴い、その姿を変容させて、鋭利な武器をできるだけ早めに捨て去った霊獣が、王子を生き長らえさせる蓋然性は高い。
◯第6王子タイソンの警護を務めるビヨンドの仲間、協専ハンター・ジュリアーノ。彼はタイソン王子が開いた愛の宗教、タイソン教の教典「タイソン教典」を読み耽る(よみふける)うち、次第に洗脳されつつある。同僚のクラピカ配下のハンター・イズナビはそれを気にかける。タイソン王子の守護霊獣の能力は、能力の媒介であるタイソン教典の読解力が高い読者に対して具体的な「幸福」をもたらすという未来修正能力。「目玉ジャクシ」という小型の目印が憑いた教典の読者は、あらかじめ教典に記されているタイソン教唯一の禁忌(詳細不明)を破らない限り、自らのオーラを消費して効率的に作られた具体的な「幸福」を、時として受け取ることができる。教典の読者個々の読解力の高低の度合いが、もたらされる幸福の度合いと比例するがゆえに、理知的な人物ほど洗脳されやすいと言える(読解力が高くとも感受性、共感性が低く理性的なままの読者の心情を、より大きく具体的な出来事で揺さぶる効果がある)。教徒の増加がタイソン王子の利益である(現段階では反社会的能力だとは言えない…が、今後はどうか? 博愛主義者のタイソン王子が禁じる唯一の戒めとは何か? 今後の豹変は必至だ)。註釈…原作者の言う「熟読度」また「幸福を与える」というワードをそのまま読み解くと、以上のような解説が成り立つ(依存度、耽溺度あるいは信心の度合いでもなければ、幸福感でもない。すなわち、教典をよく読んで理解すれば、具体的な幸福が授かる)。守護霊獣は大きなハート型。二対の小さな翼を持ち、タイソン王子の側に浮く。
◯ハルケンブルグ第9王子の守護霊獣もそうだが、タイソン第6王子の守護霊獣は単眼。これは広い視野でバランスよくあらゆる物事を洞察、遠慮する…ことがなく、我執に生きる王子たちの性質を反映した姿である。他者の進言を聞き入れる耳を持たないという特徴も両者に共通している。ハルケンブルグ王子の霊獣に至っては、4つの鼻穴から常に鼻息荒く、閉じた口から唸り声を漏らす。望まぬ王位継承戦の急場において取り付く島もないハルケンブルグ王子の心情を明確に表している。
◯第13王子マラヤームの守護霊獣は、肥大した体躯とその体表に無数の棘を持つ西洋のドラゴン型…悪く言えば不細工なワニ型(幼いマラヤーム王子の不安定な心理を反映した姿形へと機敏に変容するので、未来の姿形はまた変わる蓋然性が大きい)。本来のマラヤーム王子のテリトリーである1013号室をそっくりにコピーした偽の念空間を具現化して、 “1人で” そこに居座っている。そしてマラヤーム王子が居る本物の1013号室に入り用の入室者を、誰であれ偽の1013号室に誘い込み、その人物を観察、吟味しているようだ。念能力を使えない者にはその姿形は見えない。偽物の1013号室への他者の出入りは自由だが、敵味方の区別なく、有刺の蔓を全身から多数振るい立たせて威嚇する(マラヤーム王子本人が攻撃性を持たない年齢のせいか実際に襲いかかるには相当な彼我の緊張感の高まりが必須と推測する)。また同時に、本物の1013号室に既住の者は誰であれ退室は自由だが、一旦出ると、次に戻る時には偽の1013号室にしか戻れない。仮にマラヤーム王子本人が退室した場合に本物と偽物の1013号室がどうなるのかは今のところ不明。マラヤーム王子の警護を務めるクラピカ配下のハンター・ビスケット=クルーガーは、戻って来れないことを承知で数名の同僚を「演奏会」に出席させ、自身は本物の1013号室でのマラヤーム王子の「籠城」に付き添い続ける。他の同僚のクラピカ配下のハンター・ハンゾー、協専のハンター・ベレレインテも本物の1013号室に戻れなくなっている。
◯第10と第11の王子は双子の女性であり、それらの守護霊獣はいずれもお互いの助力を得て機能する。第11王子フウゲツの守護霊獣は空間移動能力。珍しく原作者から名称が付与されていて、その名は「秘密の扉/マジカルワーム」だそう。小柄な女性がようやく這って進めるほどに狭く細長いトンネル型。往路はフウゲツ王子が設定できる。ただし来た道を帰る復路の設定はカチョウ王子の管理を必要とする(つまりフウゲツ王子だけが機能する場合、常に一方通行。発った場所へは絶対に戻れない)。今後の物語の鍵となる能力か…?
◯第10王子カチョウ(故人)の守護霊獣も珍しく原作者から名称が付与されていて、その名は「2人セゾン/キミガイナイ」。物語中ではカチョウ王子本人の孤独死により発動条件を満たして出現した。生前のカチョウ王子そのものの姿形を成し、カチョウ王子本人かのごとく振る舞っている。加えて誰もが(例えば司法局職員等が)霊獣の視認、霊獣との対話が可能であり、フウゲツ王子を含めて、カチョウ王子本人の既死を認識できる者はいないはずである。にもかかわらず第3王子チョウライは、既に3人の王子(モモゼ、サレサレ、そしてカチョウ王子)が死んだという。この点については物語上の説明が待たれる。霊獣の役割は生者であるフウゲツ王子の守護、警護であり、フウゲツ王子が死なない限り滅することはない。「秘密の扉/マジカルワーム」の復路の管理が滞ることはあり得ない状態だと言える。
◯第3王子チョウライの守護霊獣は、古代インド芸術に見る転輪王(転輪聖王/てんりんじょうおう)の輪宝(りんぼうあるいはりんぽう…神話上の折伏(しゃくぶく)兵器)の姿形をしている。八輻(はちや)の大輪からは放射状、円周と垂直方向に立ち昇る陽炎(かげろう)状のオーラ。中央の轂(こしき)の位置に双眼と横一文字の口いわゆる表情があり、その額には大型のプラスドライバーが適合しそうな円形の紋様がある(今後これを締めまた緩めする者のありやなしや?)。時として口からオリジナルのコインを吐き落とし、通常これの落下音が鳴るので誰もが気づく。チョウライ王子と念能力を持たない者には守護霊獣の本体は見えないが、落下したコインの方は誰もが視認し、また手に取ることができる。チョウライ王子はこのコインについて、自らを監視また警護するベンジャミン第1王子の私設兵・念能力者コベントバと話し合うが、杳として(ようとして)得体を知りえない。物語上原作者によってコイン及び守護霊獣本体の効果は既に説明済みだが、両方ともわざと曖昧模糊とさせているようだ。どうやらコインの所有者の願望成就の効果がありそうだが、これが物語上…特に王位継承戦において重要な役目を果たす蓋然性は極めて低いと言えよう。なぜなら単なるコインの所有者ごときがキーパーソンになるのはバランスブレイクに過ぎるからだ。本体は常にチョウライ王子の背後に静かに浮かんでいるだけだが、これはモデルである輪宝の本来の動作とは真逆である。今後の豹変は恐ろしい。
◯第4王子ツェリードニヒの守護霊獣は、額の左右に一対の角、人間の女性の人面を持つ首長の馬の姿形をしている。モチーフはSMである。豊かな鬣(たてがみ)の有る長い首は鱗の無い蛇腹状で、一瞬で相当の距離を延伸できる。女性の人面の顎が大きく開くと中から黒髪の少年様(よう)の人面がマトリョーシカ状に出現し、さらにその少年の口からは一つ目の触覚を左右に二つ有する、二股の大きな舌が伸びる。女性の人面の顳顬(こめかみ)から複数、一列に現れる目も合わせて、他者をよく見て観察することに長けた性質のようだ。口中から伸びる舌先の細く小さな顎(あぎと)に有る歯牙でもって、ツェリードニヒ王子の質問に偽りで応える者の頬などの目立つところに傷を付けて、一回目の小さな警告を与える。ツェリードニヒ王子に対する嘘、偽り、反逆は二回までは許されるようで、王子本人と違って霊獣の方は寛容な性格の持ち主だと言えよう。続く二回目の大きな警告では、一回目の傷が著しい変貌を遂げるとともに、霊獣が言葉で「三回目の嘘、偽り、反逆が有ればお前を人間ではないモノに変えてしまう」と直接伝える。仮に逃亡した場合どうなるのかは今のところ不明。人間ではないモノに変わった人物は、ツェリードニヒ王子の永遠の従者となる公算が高い。口を持つ霊獣は他にもいるが、人語を話した霊獣はモモゼ第12王子の霊獣に続いて2体目である。
◯特記事項として。ツェリードニヒ王子の従者・テータ(女性)は、念能力習得のあらましについての彼の質問に対して、明確な虚偽で応じた訳ではないにもかかわらず、霊獣からの一回目の警告を受けた。どうやら対象者の心理中の、ツェリードニヒ王子に対する不服従そのものに反応して警告するようだ。これについて、元からツェリードニヒ王子の従者であるテータの場合はそれでよいとしても、そもそもツェリードニヒ王子に従う必要のない人物に対して、守護霊獣の警告が効くのか効かないのかは不明。たとえばクラピカ配下のハンター・センリツが彼の質問に偽りで応えた場合、どうなるのか? 仮に全ての人物の嘘を見抜くのみならず、支配下に置く能力だとすれば、発動条件がゆる過ぎるが…?
◯第7王子ルズールスの守護霊獣については、今のところ特段、論じる必要性を感じられない。一対の小さな翼を持つ長大な昆虫の幼生の姿形。口だけは肉食の哺乳類に近い。母ドゥアズル王妃の処世術「待ち」を貫くルズールス王子は、大過なく生き残るだろう。姉のツベッパ第5王子も彼の庇護をしている。彼の警護を務めるクラピカ配下のハンター・バショウの活躍、あるいは不活躍は、物語上極めて描きにくい。バショウの固有の能力「流離の大俳人/グレイトハイカー」は、万能型の近未来創生能力なのか、それとも指定対象物を燃やす能力なのか? いずれにせよ、勝つにも負けるにもそれ相応の因果を用意せねばならない。普通は負けないのだ。動かし辛い登場人物ゆえに、彼の周囲では大事件は起こるまい。
◯第2王子カミーラの守護霊獣は、中央上部の丸い頭部に双眼を持つクラゲ状の姿形。数本の触腕が垂れている描写もある。クラゲの触腕は有毒の武器だが…? 今のところ姿形の変容が現れる度に進んでいる。強制型の操作系能力だそうで、たとえ操れる人数は少なくとも、強制、使役できる対象者の行動力は強大。たとえばカミーラ麾下の私設兵を蹂躙したエイ=イ一家の精鋭を多数、一挙に無力化する様など、見られるかもしれない。
◯第1王子ベンジャミンの守護霊獣は人型、SF映画の宇宙生物様(よう)の姿形。今にも大勢に号令あるいは大言壮語するかのような大口の見事な人様の歯並びと歯茎を常に見せ、その左右には水平に突き出た一対の鋭角がある。これらは左右の耳だろうか? 大口の下に左右(二対の?)の白眼と、笑顔を演出する小口がある。大口の上部は頭部であろうが、その様は怒張した男根そのものである。首のない顔面の左右に平たく延びた頬からは両腕の前にそれぞれ3本ずつ、注射針状の道具が垂れている。常にベンジャミン王子を守るように、見事な左右の大腿を曲げて彼の両肩の上に蹲踞(そんきょ)している。霊獣の背後にはベンジャミン王子のベルトラインに届かぬ程度の長さのマントが垂れている。固有の能力については原作者により、物語上特に大事に秘せられていることが伺える。
④…王位継承戦と守護霊獣、司法局の管理
◯出航したBW第一号の船内。カキン王国の現国王・ナスビィ=ホイコーロは、次代の王を決定する王位継承権、その争奪戦の開催を、参加者である王子たち14人に宣言した。父王・ナスビィの言う、「生き残った唯一名(ただいちめい)が正式な王位継承者」。今後はこの言葉の解釈をめぐって王子たちの人間性が問われ、試される。
◯王子たちには皆、カキン王家代々に伝わる「壺中卵の儀(こちゅうらんのぎ)」を通じて、現国王ナスビィから平等に寄生型念能力である守護霊獣があらかじめ授けられている。
◯ナスビィ国王が従者のヌグイを前に独り言散るには、王子たちへの守護霊獣の付与と蠱毒にたとえられる王位継承戦は、必ずしも同期同調する要素あるいは条件ではないようだ。継承戦とは無関係に守護霊獣を付与する場合もあるということか? カキン王家の血胤(けついん)であれば壺中の卵から守護霊獣を手にすることができる上に、儀式それ自体は王家の秘事だとしても、壺の使用法そのものは偶発的にたどり着く程度の簡素なもの。ゆえに今後の「蠱毒の壺」の再登場もあり得る。誰が守護霊獣を手に入れるだろうか? 顔にヒキツレを持つ人物…?
◯同じ壺から生じた卵から生まれた守護霊獣同士はけっして殺し合わず、また霊獣の憑いた人物(王子同士)を直接攻撃の対象にはしない。霊獣は主に憑いた王子の護衛を担うが、けして専守防衛の存在でもない。
◯守護霊獣たちは自らの憑いた王子に王位を継承させるために、めいめい勝手なことを始めている。その行動は不確定要素が大きく、憑いている王子本人ですら予測できない。そもそも王子たちには、自他の守護霊獣とその霊験を見ることも感じることもできない。
◯中には殺人…自らの憑く王子に服わぬ(まつろわぬ)他者への攻撃を喫緊の課題だと捉えて、積極的に他の王子の陣営に侍う(さぶらう)者たちを殺害する短絡的な霊獣も現れた。具体的にはたった一体、第12王子モモゼの霊獣がそうである。はじめ大型のネズミ型…額にアラビア数字の8のような印があった。その操作系の技の発動後は、左右に4対の足、背中に8つの五芒星を持つ、人間の耳穴に潜むサイズの小さな蜘蛛型ネズミに変容した。守護霊獣の手前勝手な暴走のせいでオーラと体力を使い果たしたモモゼ王子はその後、疲労が原因の深い眠りに誘われ、肝心な時に守護霊獣が出現せずに、暗殺者の餌食となってしまう。
◯第14王子ワブルを警護するハンター協会の協専ハンター・サイールドは、件のモモゼ王子の守護霊獣に操られたせいで望まぬ殺人を犯し、当局に拘留された。彼の同僚であるビルは未だ、サイールドの保釈どころか、その凶行をわずかでも弁護、弁明することすらできていない。職務に忙殺されている状況もあるが、そもそも他者の念能力に操られた者の犯行であると社会的に証明することは、極めて難しいという現実がある。
◯一方同時に、船内に設置されているカキン王国の裁判所(=司法局)は、仮に念能力による犯行だったとしても、立証の如何によってはあらゆる事件を公平、平等に裁くと発布している。
◯それにもかかわらず。また怯まず(ひるまず)。守護霊獣のチカラに頼ることなく、現有の念能力による攻撃で、他の陣営の構成員及び王子を既に殺害している特定の陣営もある(サレサレ第8王子を殺害したベンジャミン第1王子麾下(きか)、及びモモゼ第12王子を殺害したサレサレ第8王子(故人)麾下の構成員)。当然犯行を立証されたら有罪である。
③…暗黒大陸への航海、先発組に続く後続者たち
◯BW第一号にカキン王族の警護として乗り込む先発組の協専のハンターと、後続のBW号に乗船する予定の後発組、及び暗黒大陸に赴かずに人類世界に残る待機組を合わせて…ビヨンドとともに夢を追う仲間は総勢200名ほどの組織のようだ。彼らは強固な意志で結びつき密かに実力を蓄えながら、リーダー・ビヨンドの決起の日を待ち続けていた。彼らと同じく未踏の新大陸への夢を追い続けてきた古代遺跡ハンター・ジン=フリークスは、その姿勢を高く評価する。
◯(ビヨンドとパリストンを除いた)彼らは皆、ジン=フリークスからの多額の送金を受け取ると同時に彼の要請に首肯し、旧来ビヨンドに次ぐ自分らの組織のNo.2のポジションにいたパリストンの地位を下げ、新たなるNo.2はジンであると認めた。ただしその過程でジンは、後発組の戦力の要、傭兵・ミュヘルの「戦時限定の部下」となった。いかな戦名人(いくさめいじん)ジンとて、今後は戦時の独断専行は許されない。ミュヘルが欠けでもしない限りは…。
◯かつてはパリストンとともに旧・十二支んにいたジンは、後発組にいるパリストンとの「遊び」を楽しむために、同じく後発組のビヨンドの仲間たちに交じり入り、暗黒大陸への出航を待っている。ジンの目的は、1…ビヨンドへの協力、及び2…彼自身の暗黒大陸探検…幻書・新大陸紀行の東編を書き上げた先駆者であり、たった1人で無限海(メビウス)沿岸を探索、踏破したとされるドン=フリークスへの憧憬を結実させること…そして、3…自らに不要となったものを愛情を持ったまま破壊する無意識のデカダン主義者あるいは異常性格者・パリストンの抑止である。
◯パリストンは自身と遊んでくれるジンの粋(いき)に感じ入り、またそれに応え、自身が非合法に隠し持つ「5,000人の蟻人間」を世に送り出すことなく制御し続けている。今後ジンは、パリストンが見たかった5,000人の蟻人間に対応する人類の姿以上に魅力的な「遊び」をパリストンに提示し続けねばならない。それと同時にジンの配下である蟻人間・カイトあるいは別のジンの仲間たちが、5,000人の蟻人間を秘密裏にケアしている蓋然性は高い。その場合、パリストンの操作系能力は問題となるのだろうか?
◯後発組にはハンター協会の名うての海(シー)ハンター・モラウ=マッカーナーシのチーム(の高速船)が別途、監視に着く予定…?。モラウは麾下(きか)の後方支援担当者・ノヴその他の仲間とともに、先発のBW第一号のハンター協会員たちをサポートする段取りだ。
②…暗黒大陸への航海、その先発第一号
◯カキン王国が用意した大型航海船・BW号(ブラックホエール号)の先発・第一号。この船には、ハンター協会のリーダーたちとその仲間(=チードル率いる12名の組織・十二支んとその審査をパスした旧知のハンター協会員たち)と、ワザと十二支んに囚われたビヨンド本人、さらに十二支んを通してV5に間接的に監視されているカキン王国の為政者(=カキン王族)が、呉越同舟で乗り込み航海に漕ぎ出している。またこの船には新天地に希望を抱く一般人20万人も同じく乗船している。
◯ビヨンドは十二支んに対して、彼らに自ら容易く囚われたのと同じように、暗黒大陸到着後は容易くその枷を解いて、十二支ん以上に暗黒大陸探索の成果を上げてみせると豪語している。囚われのビヨンド…その脱出のキーマンは、素性を隠したまま十二支んのメンバーに名を連ねているビヨンドの仲間である…と仮説を立てたミザイストム=ナナとクラピカは、一芝居を打ちそれがサイユウであると看破した。が、それを皆には伏せたままにしている。同時にビヨンド本人はサイユウが己を脱出へと導くキーマンであることを知らない。サイユウの今後の動向の鍵を握る人物は、十二支んを離れたパリストンのようだが…はたして?
◯旧ハンター協会副会長・パリストン=ヒルの人格と、そのパリストンが牛耳る、協会が受注した仕事の内容と人材のマッチングを担当する審査部の差配のせいで、十二支んたちネテロ会長派から訝し(いぶかし)がられていた、ビル、ベレレインテ、ジュリアーノをはじめとする協専のハンターたち。「協専のハンター」とは…ハンターライセンスを取得する程の実力を持ちながらも、協会が発注する(斡旋する)仕事を専門に請け負うのみで、自らの夢をけして自主的、積極的には追わぬと目されていたハンターを揶揄する、ハンター協会内部での蔑称。彼らも今回、ビヨンド及びパリストンのコネクションを通じて、カキン王族の従者・警護という仕事を請け負い、先発組として同じくBW第一号に乗り込んでいる。
ここのトピック(スレッド)は始まったばかり。
ゆえにここに書かせていただきます。
もうちょい後に、ここのトピックの話題が出てくるからね。というか
そもそもナスビィ国王は、BW船内を、20万人の贄と言っている。
登場人物全員が既に、王位継承戦に巻き込まれているのでしょうから。
これまでの冨樫の筋書き…物語全体の中から、
今後の焦点、登場人物同士の争点となる筋書きを、できるだけおさらいしてみよう。
①…暗黒大陸への、人類代表者たちの挑戦
◯ビヨンド=ネテロと彼の仲間たちは、旧ハンター協会会長でありビヨンドの父であるアイザック=ネテロの死亡を待って、今、ようやく人類にとっての新世界・暗黒大陸への(再)挑戦を開始した。ビヨンドの存在そのものと彼の過去の暗黒大陸挑戦の成否は、長らく父・アイザックと世界の先進5カ国(=V5)の手打ちにより秘匿されていた。
◯ビヨンドは自身の存在を初めて世界に誇示するとともに、V5に並ぶ成長を遂げた新興国、カキン王国(旧・ホイコーロ王国)の為政者、ナスビィ=ホイコーロ国王と手を結び、V5を無視した暗黒大陸挑戦をぶち上げた。
◯暗黒大陸に纏わる(まつわる)脅威への備え…その効力とコスト削減のためにもこれまで通りにハンター協会への影響力を行使し続けたいV5は、国際環境許可庁の特別渡航課(=トッコー)を通じて、現ハンター協会会長・チードル=ヨークシャーに、以下の命令を下した。
1…カキン王国とビヨンドが暗黒大陸の利益を独占しないように (=V5にも恩恵があるように)、手を尽くせ。
2…暗黒大陸の「門番(=外交官)」及び「案内人」がもたらすお土産 = 厄災に、あらためて人類が脅かされることのないように、あらかじめケアしておけ。
…仮にハンター協会がこれら2つの仕事に失敗した場合、V5は今後ハンター協会を無視し、ビヨンドたちが作る優秀な、新・ハンター集団に仕事を下ろすことになるだろう。
ナスビー王も自分が既に継承戦の一部って発言をしてる、もし王子の中に欠番が出たら自分が生贄になるって事じゃね?もしもの時の補欠というか保険というか、蟻編でプフとメルエムが人間社会における世襲制度のずさんさを指摘していたが、カキンはそれを念と骨肉の弱肉強食による競争でもって競わせ、力あるものにだけ王位を継がせるシステムを作ったわけだ、残酷だけど利にかなってる
継承戦自体がもう一人の偉大な王を誕生させる為のプロセスなんやろね、王子の数だけの棺があった部屋の構造から見るに、でもカチョウの遺体どうすんだアレ、今頃救命艇の中で海を漂ってますよ
ルール上は、周りで相打ちし何もしない王子が生き残ったとしても、今まで何もせず最後の最後で1名を倒して生き残ったとしても、最初から無双し生き残ったとしても、問題はないしその優劣はないはず。
ただ「周りで相打ちし何もしない王子が生き残る」という可能性はほぼゼロに等しいと思う。それをさせず、強制参加させるための守護霊獣でもあるので。
例えば、強い者同士が相打ちして自滅し、赤子のワブルが何もしないで生き残った場合、果たしてワブルが王になれるのだろうか。
王位継承戦は表向き。裏と見せかけた殺し合いですら表向き。実際は能力の開花とストラクチャーの立て方を見定める場であり、同時にふるいに落とす場である。
どんなに弱くても強い者同士で相打ちしてくれれば生き残る可能性はあるということ。
無法ではないということは、法を掻い潜って暗殺し生き残れということでしょう。
それくらいの戦術がたてられないなら王としては失格だと。
先祖代々殺し合い、騙し合いがあったらしいので、通例なのかな。